ビジネスの多様性が増している現代において、世界中をターゲットにするビジネスが非常に増えています。
その中で重要な施策となるのが、多言語Webサイトを用いてそれぞれの地域で集客するための多言語SEOなのです。
しかし、多言語SEOは日本のSEO対策とは異なる部分もあるため、しっかりと違いを理解することも大切になります。
そこで本記事では、多言語SEOの概要や重要な理由、注意点などについて詳しく解説します。
多言語SEOを理解して利益を最大化させるために本記事を最後まで読んでみてください。
そもそもSEO対策とは?
そもそも「SEO」とは”Search Engine Optimization”の略称で、日本語にすると「検索エンジン最適化」といいます。SEOを最適化することを「SEO対策」といい、GoogleやSafari、Yahoo!などの検索エンジンで特定のキーワードを検索したときに上位に表示されるための施策です。SEO対策はWebサイト運営において重要になる集客やブランディング、販売促進などに効果的な施策であるため、Webサイト運営において欠かせないものとなります。
多言語SEOとは?
多言語SEOとは、日本語や中国語、韓国語、英語、フランス語など、多言語に対応したSEO対策のことを指します。
日本で運営されているWebサイトの多くは日本人に向けて情報発信されているため日本語のみで作られていることが多く、また海外向けのサイトの場合は英語のみで作られているなど、多くのWebサイトではターゲットなるユーザーが馴染みのある言語が使用されます。
しかし、企業によっては日本人をターゲットにしていたものの、海外進出をするなどの理由からターゲットを海外の人も含めるというケースがありますが、このときに多言語SEOが必要になるのです。
多言語SEOが重要となる理由
多言語SEOが重要な理由として挙げられるのは、海外をターゲットにしたビジネスの市場が拡大すると予想されているからです。
令和3年7月に経済産業省 商務情報政策局 情報経済課が発表した「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、2019年時点で7,800億USドルだった世界の越境EC市場の規模が2026年には4兆8,200億USドルまで拡大すると予想されています。
BtoCのECサイトでもっとも売り上げが高い国は中国で2020年の市場規模は2兆2,970億USドル、続いて2位となっているのがアメリカで2020年時点の市場規模が7,945億USドルとなっています。
また、日本のECサイトで販売されている商品を中国人が購入した金額が1兆9,499億円に対して、中国のECサイトで販売されいる商品を日本人が購入した金額は340億円と、圧倒的に中国の消費量が多くなっています。さらに、アメリカのECサイトで販売されている商品を中国人が購入した金額も2兆3,119億円となっています。
このように、BtoCのECサイトの市場規模だけ見ても圧倒的に中国の市場規模が多く、中国人は自国のECサイトだけではなく日本やアメリカなどのECサイトも積極的に使用する傾向があるため、全世界のECサイトが中国市場を狙っているのです。この様な背景もあり、自国以外の言語で商品PRを行うメリットは大きく多言語SEO対策が年々重要視されています。
多言語SEOを行う上で注意すべきポイント
多言語SEOを行う上で注意すべきポイントは以下の通りです。
- 不自然な翻訳にならないようにする
- 国別に独自ドメインを取得する
- 現地のレンタルサーバーを利用する
- hreflang属性のタグを設定する
- 地域の検索パフォーマンスを参考にする
それぞれの注意点について、以下で詳しく解説します。
不自然な翻訳にならないようにする
日本語を外国語に翻訳する方法は、Google翻訳やWordPressの翻訳プラグインなどがありますが、いずれの翻訳機能を使用しても機械的な翻訳しかできないため、多言語SEOには不向きです。
海外サイトが日本語に翻訳したサイトを見てみると、なんとなく違和感のある日本語に感じてしまうのと同じ理由になります。
そのため、日本語のサイトを翻訳する場合は、クラウドワークスやランサーズ、ココナラなどのソーシングサイトを利用して、翻訳したい言語の地域に精通した人に翻訳をしてもらうことが大切です。
国別に独自ドメインを取得する
多言語Webサイトを制作する場合、国別に独自ドメインを取得することが必要です。日本のWebサイトの独自ドメインの末尾には「.jp」が使用されることも多いですが、これは主に日本で使用されるドメインとなっているため海外では主流のドメインではありません。
そのため、アメリカであれば「.us」、中国であれば「.cn」というように、それぞれの国で一般的に使用されているドメインを取得する、もしくは「.com」や「.net」のような世界的に一般的に使用されているドメインを取得する必要があります。
現地のレンタルサーバーを利用する
Webサイトを運営するためレンタルサーバーを借りている場合も多いですが、レンタルサーバーは現地のサーバーを借りる必要があります。
というのも、レンタルサーバーは国内での利用が基本となるため、海外で使用してしまうと通信速度が遅くなってしまいSEO対策に悪影響が出る可能性が高いからです。
そのため、さくらインターネットやエックスサーバーなどのレンタルサーバーを利用している場合であっても、現地のレンタルサーバーをさらに借りる必要があります。
hreflang属性のタグを設定する
多言語SEOをするうえで、どの地域に向けてコンテンツを制作しているのかをGoogleに伝えるための「hreflang属性」のタグを設定することが必要です。
「hreflang属性」はHeadタグ・HTTPヘッダー・XMLサイトマップにそれぞれ記載するといいでしょう。
「hreflang属性」を設定しないと、Googleが言語を変えただけの重複ページと認識してしまい多言語SEOに悪影響が出てしまう可能性があるため、しっかりとどの地域に向けたコンテンツなのかを明確にする必要があるのです。
以下の実装コードを参考にして設定してみてください。
<link rel=”alternate” hreflang=”国ごとのトップレベルドメイン” href=”https://sample-tagengo.com”>
地域の検索パフォーマンスを参考にする
検索されやすいキーワードは国や地域によっても大きく異なるため、地域別の検索パフォーマンスを調べて、適切なキーワードで検索上位表示を狙う必要があります。
地域別の検索パフォーマンスはGoogleが無料で提供している「Googleサーチコンソール
でも調べることができますので、活用してみてください。
まとめ
本記事では、多言語SEOの概要や重要な理由、注意点などについて詳しく解説しました。
もともとは日本国内だけをターゲットにしていたという企業でも中国市場の大きさに魅力を感じて海外進出を果たすというケースも増えています。
そこで重要になるのが多言語SEOなのですが、しっかりとした対策をしないと効果的な施策ができません。
ぜひ本記事を参考にして多言語SEOについて理解してみてください。
この記事を監修した人
記事の担当者(執筆/監修)
株式会社スマイクリエイト/代表取締役安部圭一/1972年5月 福岡県生まれ
・賃貸不動産経営管理士<登録番号(1)057435>
2019年5月にネット集客に特化したサッシ・ガラス屋ビジネスを創業。今まで蓄積した経験と知識を活かし、自身でキーワード選定やコンテンツ記事の執筆を行い、ローカルキーワード戦略に於いて、2000以上のキーワードで上位表示を達成する。その結果、新規お問い合わせは年間2,800件を超え、創業4年で年商1億円を突破。2023年よりネット集客の実績と経験を活かし再現性の高いSEOサポート事業を開始する。