カニバリゼーション(通称:カニバリ)って聞いた事ありますか?マーケティング用語であるこのカニバリゼーションについて、実はSEO対策を行う上で、知っておかなくてはならない重要な事象といえます。本日は、弊社 窓店(マドミセ)で起こったカニバリゼーションについて事例を見て頂きながら、その解決策や対処法をお伝え出来ればと思います。
サイト運営で狙ったページが上位表示されないとお悩みの方は、もしかしたらこのカニバリが影響しているかもしれません。確認して見て下さい!
カニバリゼーションがSEOにどう関連するのか?
まずは、カニバリゼーションについてしっかりと理解しましょう。カニバリゼーションとは英語では、「cannibalization」と書かれます。訳すると”共食い”という意味です。
具体的には、社内で似た様な商品やサービスを提供する際に、似た商品やサービスで競合してしまい、売上の伸びに影響を及ぼす状態の事をいいます。自社の商品同士で”食い合っている”イメージです。他社との競合であれば理解できますが、自社同士の商品・サービスで悪影響を及ぼす状態は企業にとって好ましくないと言えます。
実はSEO対策にもカニバリ状態が起こる事は往々にしてあります。
カニバリの実例
弊社で運用している窓店(マドミセ)というサイトがあります。リンク先ページで、窓店の運用状況をお伝えしていますが、このサイトはサッシやガラス、建具の修理交換を行う集客サイトです。
SEO対策の為に多くのローカルキーワードを設定していますが、例えば以下の様なキーワードでカニバリ状態となっています。
「福岡市東区 玄関ドア交換」と
2つのキーワードの中に「東区」が入っているか、いないかの違いですが、それぞれ2つのページが存在します。
この様なサイト構成にする意図は別にあるのですが、このページ同士は競合してしまい、「福岡市東区 玄関ドア交換」は圏外に飛ばされています。つまりページ同士で競合してしまい、Googleのロボットは、「福岡市 玄関ドア交換」を選んだのです。
福岡市には「東区」「中央区」「博多区」「早良区」「城南区」「西区」「南区」と7つの区がありますが、競合しているページは「東区」と「中央区」のみで他のページは現時点ではカニバッてはいません。
この様にSEO施策においても注意して監視しないとカニバリに気付かず機会損失を拡大してしまう危険性があります。
カニバリゼーションになる原因とは
実例でも紹介した様に、SEOの観点で、カニバリ現象が起こるのは、同じ様なキーワードで複数のページを制作し、上位表示を目指す時です。
特にローカルキーワードとして地域名×商品(サービス)を同じサイト内で多く公開する場合は注意しなくてはなりません。もう1つ弊社の例を挙げると、
”ドア修理とドアノブ修理”
”ガラス修理とサッシ修理”
この様なキーワードもカニばる可能性は高いです。
別のキーワードを想像すると、「〇〇市×Tシャツ専門店」「〇〇市×ロンT専門店」
「〇〇市×蛇口水漏れ修理」「〇〇市×水漏れ修理」又は、「〇〇市×塗装屋」「〇〇×外壁塗装」などニュアンスが似通っているキーワードが候補として考えられます。
キーワードを1つに絞るべきなのでは?
カニバリゼーションが起こる原因はある程度予測できます。同じような意味合いのキーワードで複数ページを作らなければよいのです。
実は、これはGoogleも低評価なコンテンツを多く作るよりも価値のある1ページに集約した方が良いとアナウンスしています。
従って、本来であればキーワードを絞り込んで行う対策の方が良いというのが一般的な見方です。しかし、ドア修理とドアノブ修理でも明確にタイトルや、ページの中身メタディスクリプション等を代える事で両方が上位表示される事も現実なのです。
例えば、以下の画像は「城南区ドア修理」で検索を行った2023年3月4日の結果です。
玄関ドアの対策ページとドアノブやドアクローザー修理のページ2つが上位表示されています。
この様に多くのキーワードで成果を上げたい時にはカニバリを気にしながら複数キーワードで上位表示を達成する事も可能となります。
カニバリゼーションはどの様に管理する
弊社で行っている方法は、キーワードの順位管理とサーチコンソールによるリライトの実施です。
検索順位チェックツールである「GRC」で4000ページを超えるキーワードの順位を毎日追っています。圏外にキーワードや順位変動が起こる際にはサーチコンソールを確認し、ページの状態を確認し、適時対策を行います。内部リンクの強化やリライトを意識的に行いページの順位を回復させます。
カニバリ状態では、検索順位が不安定で、圏外と上位表示を行ったり来たりする事になりますので中期的にランキングが安定するまで施策を繰り返していきます。
カニバリゼーションが発生した場合の対策
カニバリゼーションがが発生した場合は、前述した様に、リライトを行いますが、具体的にはどの部分について改善策を講じるのかポイントも交え説明いたします。
タイトル
ページのタイトルは最重要な部分となります。この部分を出来るだけ差別化できる様に試行錯誤しなくてはなりません。ただし頻繁にタイトルを変更するとGoogleロボットにマイナスの影響を与える可能性がありますので、渾身のタイトルを設定したらしばらくは変更せず経過観察を行いましょう。
冒頭
タイトル下の冒頭部分も大切な部分です。導入文となりますので、明確・簡潔に訴求ポイントをまとめて、訪れたユーザーにページスクロールをしてもらえる工夫を施します。筆者の経験では、この冒頭のテキストを変更する事で圏外だったページが10位以内にランキングされたケースが何度もありました。Googleロボットの読み込む優先順位にも大きく影響するものだと考えます。
見出し
見出しではキーワードを多用しないように注意します。上位表示を目指すとどうしても見出しにキーワードを入れたくなります。自然に入っているキーワードであれば問題ありませんが、見出し以下のテキスト(コンテンツ)と無関係な見出しはかえって悪影響を及ぼしてしまいます。
メタディスクリプション
記事の内容を表す「概要」がメタディスクリプションです。検索結果に表示される重要な部分です。この部分も競合し合っている別のページと明確に分ける必要があります。
その他の対応策
リライトは、競合している2つのページを上位表示させる対策です。その他の対応策としては以下の3つの方法も検討します。内容としては2つのページを1つに集約する対処法となります。
301リダイレクト
301リダイレクトとはターゲットのURLから別のURLに恒久的に転送する設定です。2つのページのうち、1つのページしか上位表示されていないのであれば、この設定を行う必要はありません。
特定のキーワードで、狙っているページ以外の意図しないページが検索結果に表示される場合に、設定します。
意図しないページのURLから狙っているページULRに転送する設定となります。
ページ削除
低品質でアクセスのないコンテンツであれば削除も検討できます。せっかく制作したコンテンツですが、かえって評価を妨げると判断した場合はページ削除がカニバリ対策になる事もあります。
canonicalタグ
せっかくつくったページだと削除するのはもったいない、ユーザーに役立つ情報が入っているので残しておきたいとお考えの方は、タグ内に”canonical”を記述して本命のページを正規化する事でGoogleロボットに「こっちが本命のページですよ」と伝える事が出来ます。
301リダイレクトやページ削除と違った利点は、ページを残す事ができますので、ユーザーがURLにアクセスすると情報が見れる点です。
まとめ
本日は、実際に弊社で運営しているサイトで起こっているカニバリゼーションの実例をもとに対処方法などをお伝えしました。簡単な解決方法は、2つのページを統合もしはく1つを削除する事ですが、別々のローカルキーワードで広く検索結果に表示された場合は、工夫や経過観察は欠かせません。参考にして頂ければ幸いです。
この記事を書いた人
記事の担当者(執筆/監修)
株式会社スマイクリエイト/代表取締役安部圭一/1972年5月 福岡県生まれ
・賃貸不動産経営管理士<登録番号(1)057435>
2019年5月にネット集客に特化したサッシ・ガラス屋ビジネスを創業。今まで蓄積した経験と知識を活かし、自身でキーワード選定やコンテンツ記事の執筆を行い、ローカルキーワード戦略に於いて、2000以上のキーワードで上位表示を達成する。その結果、新規お問い合わせは年間2,800件を超え、創業4年で年商1億円を突破。2023年よりネット集客の実績と経験を活かし再現性の高いSEOサポート事業を開始する。